「まさかこの人が不倫をするわけがない」と思っていた配偶者に裏切られた、という人は少なくありません。
八木咲子さん(仮名/30代)もそんな、信じていた相手から裏切られた女性のひとりでした。今回は、咲子さんの体験談をご紹介します。
前編では、夫のスーツのポケットからラブホテルのポイントカードを発見した経緯をご紹介しました。
後編では、ついに浮気相手の素性に迫ります。
前編をまだ読んでいない方はこちら:子煩悩夫がまさかの不倫。相手女性の魔性っぷりがすごい【前編】
不倫相手の女性の魔性っぷりがすごい
すでに見知らぬ女と19回も夜を共にしたのだという証拠を見つけてしまった私は、夕食後、夫を問い詰めました。
「浮気しているでしょ」と問い詰めた私に対し、夫は当初、頑なに不倫を認めようとしませんでした。
それどころか、「仕事が忙しいのに、浮気を疑われるなんてつらい」と言いました。しかし、私には証拠があったのです。
ラブホテルのポイントカードを見つけたことを夫に告げると、夫はしばらく黙り込み、そしてやっと不倫の事実を認めました。
夫が語る、不倫相手の実態は恐ろしいものでした。
夫の不倫相手は、取引先の派遣社員の10歳年下の女性で、夫は仕事を口実に呼び出され、彼女から誘われて不倫関係になったというのです。
その不倫相手の女性は、過去にも不倫の経験があったらしい、と夫が言うので、なぜ知っているのかと聞くと、その過去の不倫の相手は、夫の上司だということが発覚しました。
夫の上司も、それまでは真面目に生きてきた人で、不倫なんてしたことがなかったそうで、魔性の女である彼女に誘われて不倫してしまい、離婚することになったと言います。
彼女は、不倫相手を本気にさせ、しかし自分は決して深みにはまることはなく、相手の家庭を次々の破壊させていった、というのです。
私はそれを聞いて、彼女の意のままになるものか、と思いました。夫の裏切りは耐え難いものでしたが、不倫相手の魔性の女の思惑通り、家庭を壊したいとは思わなかったのです。
そのため、最終的には夫の不倫は許しました。そして、もう二度と不倫をさせないことを誓わせ、不倫相手の女性には慰謝料を請求しました。
魔性、という都合のいい言葉に騙された私
不倫相手の女性からは50万円を受け取ることができました。
それから5年経ち、ふと、気がつきました。相手は独身の、10歳年下の、派遣社員の女性だった。夫は、彼女より年上で、既婚者だった。どちらが誘ったのか、真実はわからない。
私は、魔性の女だから仕方なかったんだ、と不倫相手の女性だけを憎み、彼女のせいにしていた。しかし、実際に既婚者で不倫をしていたのは、夫であり、夫の上司なのだ。
彼女は派遣社員で貯金もなく、分割で慰謝料を1年かけて払った。同情はしない。でも、今となっては思うのです。
魔性の女という言葉は、男たちの欲望を相手の罪にする言葉だったのではないか、そして私もそんな彼らの言葉たくみなトリックに引っかかり、罪の居場所を間違えたのではないか、と。
(今来 今/ライター)
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