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不倫されるということは、不倫相手が誰であってもつらい経験でしょう。

 

ただ、不倫相手が自分の母親だった、となれば、つらさと衝撃度は数倍になります。

 

今回は、そんな衝撃的体験をした、菜々子さん(仮名)に一部始終を語っていただきました。

 

 

憧れの人との運命的な恋

 

私は小さい頃から画家に憧れていました。絵を描いて生活できたらどれだけいいだろう、と夢みていたのです。
 
うちは母子家庭でしたが、母は私のそんな夢を応援してくれました。
 
美大に進みたいという私の夢を叶えるために、昼は保険の営業、夜はクラブのホステスとして稼ぎ、私に一切負担を負わせることなく希望の大学に進学させてくれたのです。
 
美大は、入ってからもお金がかかります。
絵の具やキャンバス代はばかになりません。
 
できるだけ母に負担をかけたくないと思い、私も大学時代に母と同じくホステスとして働くことにしたのです。
 
私が選んだのは銀座の高級クラブでした。
 
実は、そこには私が尊敬する画家のAさんが通っているという噂があったのです。
 
一目会えたらという希望を抱いて入店し、三ヶ月後に、実際にAさんがお店にやってきました。
 
Aさんは指名しているホステスがいなかったので、ランダムに女の子がついていました。
 
私の番が回ってきたとき、天にも上る気持ちでした。お酒を作る手が震えているのを彼に見られ、私は彼の長年のファンであること、美大生でAさんのような画家を目指していることを打ち明けました。
 
Aさんは、私の話を興味深げに聞いて、「今度、絵を見せて」と言ってくれました。
 
彼の目を見た時、この人の大切な人になりたいと強く思いました。
 
それから私たちが付き合うまで、時間はかかりませんでした。
 
当時私は20歳。彼は50歳でした。30の年の差も、恋の前にはなんの意味もありませんでした。
 

妊娠が発覚。彼の反応は……

 

ほどなくして私の妊娠が発覚しました。
 
彼になんと言われるか不安ではありましたが、彼は、「結婚しようか」と言ってくれました。
 
憧れの人と結婚を控え、赤ちゃんにも恵まれたあのときが、人生の頂点だったのかもしれません。
 
結婚後は、彼の家で生活することになりました。松濤にある豪邸です。
 
母との同居を希望したのは私です。働きづめだった母親を楽をさせてあげたいと思ったんです。
 
母親に育児を手伝ってもらえれば私も助かるとも思いました。
 
彼は快諾してくれました。でも、今思えば、同居なんてすべきじゃなかったんです。
 
あの時の私は、彼が私以外の人を選ぶなんて想像もできませんでした。
 
どこか、自分の若さに慢心していた部分もあったかもしれません。
 
年齢が理由愛されているとは思っていませんでしたが、彼は「若い女が好きなんだろう」と思っていたのです。
 
当時私の母は、45歳、彼は50歳。
 
彼にとっては、私の母だって、年下のかわいい女性のひとりに見えることに、あのときの私はまったく気づいていませんでした。
 
このエピソードは、後編へ続きます!
後編は10月25日(月)20:30に公開予定!お楽しみに!
 
(今来 今/ライター)
 
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