充電中のスマホ、寝ている彼。
人差し指をそっと掴んで
ホームボタンに押し当てたくなることがある。
彼のことを信じられなくなったら、
彼のことを問い詰めたくなったら、
脳内会議をしてみよう。
まわりの「男たち」に聞いてみた。
死にたい女には男友達はほぼいない。
だが近くに男はいる。
それは兄と弟、である。
二人とは仲が良く、
例えば、20歳の誕生日には、
ふわふわもこもこで有名なあの可愛い部屋着を
プレゼントされたことだってある。彼氏か。
着るタイミングはないんだけど。
そんな兄と弟に聞いてみた。
「彼氏のことはどこまで知っていい?知らない方がいいことって?」
身長180センチ、上腕二頭筋パンパンの男たちは
なんだかんだ言いながらも考えてくれる。
数十分後、一つの答えが出た。
それは、
「かっこ悪いところは知られたくない。」と、
いうことらしい。
「男はとにかくプライドが高い。好きな子や彼女には常にかっこいいと思われていたい。
だから、かっこ悪いところは知られたくない。」
なるほど。
そうかもしれないけど、
女性の中には、彼氏のちょっとかっこ悪いところや弱ったところを見せてくれることがとても嬉しい、
と思う人も少なくないのではないだろうか。
と、伝えてみると、
「その気持ちは嬉しい。
だけど、こっちはそのスタンスではいられない。」
まぁ、それはその通りだ。
俺ってちょっとダメなところがいいでしょ? と
来られたら、それはそれでいやだ。
女心は複雑なのである。
で、結局何を聞いてはいけないの?
男性が好きな人にかっこ悪いところを
知られたくないと思っているのはわかった。
で、だ。
結局なにを聞いてはいけないのか。
恋愛? お金? 過去? 未来?
なにが男性たちの
かっこ悪い、に繋がってしまうのか?
「それは、人それぞれ。」
いや、いや、いや。
「聞いてみて、言えなさそうだったら待ってくれたら嬉しいし、
なんでそんなに知りたいと思ってるか、教えてくれたら、じゃあ、と思える。」
なんと、なんと、なんと。
「ちょっと待ってよ!
浮気してたらそんなの正直に言わないでしょ?
借金してたりとか、どっかのスパイだったら?
ちゃんと私たちに言ってくれるの?」
と息を荒くして問い詰めると、
「そんなヤツのこと好きになるの?」と。
……好きになってしまうかもしれない、
人間は複雑なのである。
彼氏のことはどこまで知っていい?知らない方がいいことって?
結論、
聞きたい側と聞かれる側がなにが嫌で、なにがOKなのかということだ。
そして、わたしが思うことは、
彼が教えたくないと思っていることは
基本的に知らない方がいいのでは、ということ。
嘘も方便だと思うし
優しい嘘から成り立つ世界が
どこかにあることも知っている。
知らないでいてほしいと誰かが思っているなら、
知る必要がないなら、知らない方がいいのだ。
「彼氏のことはどこまで知っていい?知らない方がいいことって?」
その答えは、
彼が話したいことまで。
彼があなたに伝えたいことまで。
そして、彼が話したくなったときが
あなたが知るべきタイミングだと思う。
だけど、どうしても知りたくなったら、
彼に直接聞いて、彼から話を聞こう。
彼が話してくれなかったら、
彼が話してくれるのを待つか、諦めるか、だ。
勝手に探ったり調べたりすることはオススメしない。
なぜなら、情報が錯綜するからだ。
だから、彼から聞こう。彼の話を聞こう。
知りたくなったら、思い出して。
充電中のスマホ、寝ている彼。
人差し指をそっと掴んで
ホームボタンに押し当てたくなることがある。
そんなときは、ゆっくり目を閉じて、
身長180センチ、上腕二頭筋パンパンの
男たちを思い出してほしい。
あなたの脳内会議で、ムキムキの男たちが
あなたをそっと、止めてくれるだろう。
(死にたい女/ライター)
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