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ラブホスタッフ上野と申します。

 

「男性を甘やかすとダメになる」というような話も御座いますが、これには一般性が御座いません。

 

甘やかすとダメになる男もいれば、ダメにならない男もいるのです。

 

むしろこれは逆説的に考えるべき内容でしょう。

 

男性に対して過保護な傾向がある女性はたくさんいらっしゃいますが、この時点ではまだNG行動とは言えません。

その過保護さが男性をダメにした場合は「甘やかしすぎ」と言われ、男性を成長させた場合は「男性を支えた賢妻」みたいな評価になるのです。

 

ですので、これは結果ありきであり、一概にNGOKか判断することが出来ません。

 

彼氏をダメにする行動は別に御座います。

 

これは彼氏相手に限らず、関わった人間すべてをダメにする行動でしょう。

メンヘラな女性に友人が少ないのは、彼氏だけではなく関わったすべての人間をダメにするので、距離を取られてしまうのです。

 

それではその行動とはなにか。

 

相手の元気を奪うこと、で御座います。

 

根性論を語るつもりは御座いませんが、人間にとって精神的肉体的に健康であることは何よりも基本的なことでしょう。

それを害する人間は相手をダメにする人間と言われてしまうのも無理からぬ話ではないでしょうか。

 

ブラッディメアリー

 

メアリー・マローンという人物をご存知でしょうか?

 

彼女は1900年代初頭のニューヨークで生きていたどこにでもいる普通の女性で御座います。

 

料理人として真面目に働いていた彼女は、本来であれば歴史に名を残すような女性ではなかったことでしょう。
しかしこうして今、私が彼女を取り上げていることからも分かるように、彼女は歴史に名を残してしまいました。

残念なことに、あまり肯定的ではない理由で御座いますが。

 

さて、彼女が生きていた1900年代初頭のニューヨークではある病気が蔓延していました。

 

それは腸チフス。

 

最悪の場合、死に至ることもあるその病気はニューヨークで流行していましたが、その病気について調査をしていた医師が調査の最中であることに気がつきました。

 

何故かメアリーが関わった職場で異常なほどに腸チフスが蔓延しているのです。

 

確かに腸チフスは感染症では御座いますので感染者がいれば、その周囲にも病気が広まるものの、当のメアリー本人は至って健康でした。
客観的に見れば彼女が腸チフスに感染しているようには到底見えなかったのです。

 

医学に詳しい方ならお分かりになったことと思いますが、彼女はいわゆる無症候性キャリアで御座いました。

 

無症候性キャリアとは病原菌を持っているものの、様々な事情によって本人はその病症が発生しない方のことで御座います。
代表的なものとしてはエイズが挙げられるでしょう。エイズは感染しても10年位は症状が出ません。

これが無症候性という意味で御座います。 

 

さて、彼女自身に悪いところは無いのですが、病症が発現しなかったばっかりに、彼女は死の病気を周囲に撒き散らし続けてしまいました。

 

これこそが「彼女が関わった職場で腸チフスが蔓延する原因」で御座います。

 

ここで話が終われば、彼女は不幸な被害者でしかないでしょう。
事実、当時のニューヨークには彼女と同じように腸チフスの無症候性キャリアであった方が100人くらいはいたと言われています。

 

ですが彼女だけが歴史に名前を残してしまったのは何故でしょうか。

 

彼女のこの後の話が問題だったのです。

 

彼女は無症候性キャリアであることが判明したため、裁判所から食品関係の仕事に就かないことを義務付けられました。

 

腸チフスは主に経口感染ですので当然の対応と言えるでしょう。

 

彼女はその判決に従って食品関係以外の仕事をしていたのですが、判決の5年後、彼女はわざわざ偽名を使い、よりにもよって産婦人科病院で調理人として働いているところを発見されました。

 

彼女の職場が明らかになってしまったのはご想像の通り、その病院で腸チフスが蔓延したからで御座います。

 

この結果、彼女はニューヨークの孤島ノース・ブラザー島に隔離され、その島から出ることなく生涯を終えることになるのですが、彼女は一体何が悪かったのでしょうか?

 

腸チフスの無症候性キャリアになったこと自体は何の罪でも御座いません。
事実、彼女以外の無症候性キャリアの人物は多少の制限こそあれ、彼女のような人生は歩みませんでした。

彼女が問題だったのは、それを人に感染させ続けたことでしょう。

 

当時の常識や社会的な風潮の問題もあり、彼女自身は自分が病気の発生源であることを信じられなかったと言う事情も御座いますが、裁判所から禁止命令を受けたにもかかわらず、料理人として働いたのは問題があったと言えるかと思います。

 

病気になることは罪ではありませんが、それを誰かに感染させるのは罪でしょう。

 

 

さて、先ほど「人の元気を奪う」ことこそが最もNGな行動であると言いましたが、それでは人の元気を最も効果的に奪う行動は一体なんでしょうか?

 

それは元気がない人と一緒にいることで御座います。

 

腸チフスの場合、病原菌という媒介が存在するので分かりやすいですが、元気もまた抽象的では御座いますが人間の間で感染することが分かっています。

 

しかもそれは残念なことにマイナス方向の方がはるかに強いのです。

 

元気な人と元気ではない人が一緒にいた場合、基本的に「元気じゃないウイルス」の方が圧倒的に強いので、2人とも元気がなくなってしまうのです。

 

「元気じゃないウイルス」の感染力は、「元気ウイルス」の数倍(一説には7倍)とも言われており、愛や恋でどうこう出来る問題ではないでしょう。

 

私は不機嫌になることや元気を失ってしまうこと自体が悪いことだと考えているわけでは御座いません。

 

感染することが分かっているのに、マスクもせずに出歩くことが罪だと言っているのです。

 

人間ですから不機嫌になることや元気を失ってしまうこと自体は仕方がありません。

 

ですがそのウイルスを持ったまま人に会ってはいけないのです。

 

「恋人に会って不機嫌を回復しよう」という考えは、残念ながら「相手に風邪を移せば、自分の風邪は治る」というレベルの話でしかありません。

 

相手に風邪を移せばどうなるでしょうか?

 

残念ながら風邪を移したところで、移した人の風邪は治りません。

 

2人の病人が生まれるだけで御座います。

 

 

元気がないならどうするのか

 

「人に元気を与える仕事」という言葉が御座います。

 

牛丼屋の店員さんも、電車の運転士さんも間違いなく人に元気を与えておりますが、一般的にはアイドルやアーティストがよくこの言葉を使います。

 

確かにアイドルのライブは人に元気を与えるかも知れません。

 

ですが、ここで重要なポイントが御座います。

 

アイドルのライブ会場で元気を貰っているお客様たちは、少なくとも表面上は元気に振る舞っているのです。

人に元気を与える仕事をしている方々でさえ、そのお客様たちは少なくとも表面上では元気なのです。

 

 

元気を失ってしまうことが悪いわけでは御座いません。問題なのは、それを人に移すことで御座います。

 

病は気から、では御座いませんが、彼氏様から元気をもらいに行く際は、元気よく「疲れた!癒せ!」と言うように心がけましょう。

 

(ライター/上野)

 

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