人は変わります。変わらないでおこうとしても、時とともに、少しずつ変わっていくものですし、自分の意思で変わることもできます。
カナノさん(仮名)が、暗くて地味だと思われていた外見を磨き上げた結果、周囲の反応は面白いほど変わったと言います。
今回はカナノさんが、自分を変え、昔バカにしていた人たちを出し抜いた話をご紹介します。
前編では、小学生時代いじめられていたカナノさんが中高一貫の私立中学を進学し、そこで先輩たちに習いながら外見や内面を磨いていった様子をお伝えしました。
後編では、高校生になったカナノさんが、小学校の同窓会に挑んだときの様子をご紹介します。
同窓会。かつて、「子豚ちゃん」だった私は
同窓会の会場であるレストランに足を踏み入れるとき、自分の心臓の音がうるさいくらいなっていることに気がつきました。
でも、引き返そうとは思いませんでした。
なぜって、この日のために、先輩たちに服を選んでもらったし、当日はメイクまでして送り出してくれたからです。
先輩たちの手でプロデュースされた私は、これまで自分でもみたことがないくらい、洗練されて見えました。
会場に足を踏み入れると、周囲の人の目が私に突き刺さりました。私はキョロキョロとあたりを見渡し、冴子を見つけ、近づいていきました。
「冴子ちゃん、久しぶり」
冴子は、いぶかしそうに私をジロジロ見ました。
「私、カナノ。ほら、冴子ちゃんが子豚って呼んでた」と名乗ると、冴子は「えっ」といって固まってしまいました。
昔は女王さまのように思えた冴子も、こうしてみると、垢抜けないどこにでもいる高校生でしかありませんでした。
男子から連絡先を聞かれ、デートに行くことに
冴子が黙っていると、「え、カナノちゃん?」と、近くにいた男子が私の前に進み出てきました。
「めっちゃ美人になってんじゃん。びっくり」。彼は、サッカー部で人気があった子でした。
それからは、私の周りに次から次へと人だかりができてきて、同窓会が終わるころには、15人以上のLINEのアカウントが私のLINEに新規登録されていました。
そのうちの10人強は男の子でした。
その中から、気のあった男子数人とLINEをして、結局、メンズ雑誌でモデルも務める男の子とデートに行くことになりました。
初デートは、映画館。会話のなかで冴子の話が出て、彼が「中学のとき告られたけど、断った」と言ったとき、私は密かに「勝った」と思いました。
いじめられっ子だった過去にさよなら
彼のことを好きかもまだわからないし、付き合うことになるのかもわかりません。
ただ、同窓会に行って本当によかったなと思っています。
昔、私を子豚ちゃんと読んでいたいじめっ子が好きだった相手が、どうやら私のことを好きらしい、とわかったとき、自分の過去を塗り替えられたような気がしたのです。
(今来 今/ライター)
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