「推し」。それは他の何よりも愛してやまないもの。
一推しのメンバーの略、推しメンから派生したその言葉は、アイドルだけにとどまらず、俳優やアニメのキャラクターなどにも使われるようになりました。
その中でも3次元推しとは、アニメなどの2次元の世界に存在するキャラクターではなく、実在するリアルな人を推す時に使われます。
一般的には宝塚女優や、大好きな声優などに使うことが多いようですが、最近ではそういったほとんど会えない遠い存在の推しではなく、職場や習い事先で見つけた推しにハマる女性も増えているのだとか。
今回、そんな女性(まなみさん/26歳)にインタビューをすることが実現し、話を伺ってきました。
推しとの出会いのきっかけ
――まずその「推し」との出会いのきっかけを教えてくれますか?
まなみさん「はい。その人(以下、Kさん)との出会いは、仕事の関係でご一緒したことです。
クライアントさんとの合同プロジェクトで、クライアントさん側にいらっしゃったプロジェクトリーダーをやられている方だったんです。」
――それはいわゆる「恋愛感情」とは違うものなんですか?
まなみさん「よく誤解されるのですが、それは全然違います。わたしにはその人は尊すぎて、好きになるなんておこがましくてできない感覚なんですよね。」
――具体的にはどんなところが「尊い」と思ったんですか?
まなみさん「う〜ん、それを言葉にするのはとても難しいです。部下への配慮や、私たちへの紳士的な対応、どことなくミステリアスな雰囲気も含めて、全体的にそう思います。
わたしにとっての推しは、あくまでも近寄りがたい存在なのでそのさきにどうこうとは全く考えていなくて。
ただ純粋にKさんに会えるのが楽しくて仕方がないんです」
推しとは恋愛したいと思わない
――恋愛感情はないとおっしゃいましたが、食事などにもいかないんですか?
まなみさん「そこには興味がないというか。あくまで遠くから見ているから楽しいのであって、Kさんの人柄を詳しく知りたいとかもないんです。
川口さんも憧れの芸能人とかいると思いますが、その人のことを食事に誘おうとかは思わないですよね。」
――そう言われれば確かに。と、いうことはまなみさんは、Kさんに芸能人に抱くような憧れを抱いている、ということなのでしょうか。
まなみさん「わたしにとっては、いわゆる普通の推しと感覚は一緒です。ただ、仕事で否が応でも一緒になるので、会える頻度は違うんですけどね、それがまたいいんです。
アイドルや声優さんなどの押しと会うにはお金も時間もかけなきゃいけないんですけど、Kさんの場合は“働いていればそのうち会える”ので、すごくなんというか、助かっています(笑)」
――なるほど、そういう感覚なのですね!Kさんとの出会いによって何か変化がありましたか?
身近な3次元推しは日々を充実させる
まなみさん「ものすごくありました!Kさんに会える日はもうほぼ決まっているのは、次は何日後、その次はと思うだけで日々のルーティンの仕事にも力が入るようになったんです。
Kさんはわたしの中でパワースポット的な存在なので、2週間分のエネルギーをKさんにもらいにいくような感覚ですね。
Kさんに会えると思うと毎日頑張れます!」
――神社にお参りに行くみたいな(笑)
まなみさん「そうですね。一種神格化していると思います。
普通推しのためにコンサート行ったり、グッズ買ったりなどの『お布施』の行為があるんですけど、Kさんの場合はタダで拝めるので、非常に経済的です(笑)」
――全く課金しない推しというのもまた珍しいですね。
まなみさん「そうですね(笑)」
身近な3次元推しの作り方
まなみさん曰く、身近な3次元推しを作ると、無料で毎日を充実させられるので、とてもコスパが高いということでした。
ちなみに3次元推しを作るコツについてですが、まなみさんは最初は確かに恋心と混同したようです。
ただ「これは恋心だと捉えるとあとあとめんどくさそうだ」と思ったときに、ふと「推しにすればいいのでは?」と思いついたそうです。
もしこの記事を読んで身近に3次元推しを作ろうと思ったら、ちょっと素敵だな思うひとで恋愛への発展の見込みのなさそうな人がいるなら、「推し」に振り切るというのも一つのアイデアかもしれないですね。
(川口美樹/ライター)
Image by カネーライス
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