ひとを好きになるプロセスには、さまざまなかたちがあると思います。
友達という関係性から徐々に恋心が芽生えてく。最初から顔が好みだった。困っているときに助けてくれた。などなど。
このなかで恋愛の醍醐味(だいごみ)と言える出会いは一目惚れ。
特に初対面のひとに「運命」を感じてしまうパターンですね。俗に言う「運命の人」「運命の恋」というやつです。
まだあまり内面を知らないのにも関わらず「あ、この人のためならなんでもできるかもしれない」、「この人に出会うために生まれたのかもしれない」と思うほど、びっくりするくらいしっくりくる人との出会いが人生に何度かあります。
今回は、そんな「運命の人」に出会った瞬間にどのような反応が起きるのか? 実体験を交えながらお話ししていきたいと思います。
1.全身に電流が走る
少し古い話になりますが、1998年5月。歌手の松田聖子さん(当時36歳)が、歯科医の男性と交際わずか2ヶ月で結婚しました。
このときの記者からのインタビューに対して、松さんは「(会った瞬間に)体と心でビビビッときたんです」とコメント。マスコミはここの発言から「ビビビ婚」とネーミング。なんてことがありました。頭の片隅に残っているひといるのではないでしょうか。
スターとして一世を風靡(ふうび)し、ふつうの人よりも多くの体験をしてきた松田聖子さんですら電撃が走るという「運命の人出会い」の衝撃はすさまじいことがわかります。
もちろん、実際に電気が流れているわけではありませんが、「何かわからないけどしっくりきた」瞬間なのだと思います。
例えばそれは、出会って間もないのにも関わらず、これまでどんなことをしてきたか? 何が好きなのか? 言わなくても相手の考えていることがわかってしまうような感覚に襲われて言うます。
だから、出会ってから仲良くなるまでのプロセスがかなりスピーディーなのです。オーバーな人は「前世から知り合い」なんて思う人もいるかもしれませんね。
2.人生が充実する
これは多くの恋をしている人たち共通して言えることかもしれませんが、特に私は、日頃から「人間はどうせ死ぬ」「生きている意味なんてない」という虚無主義に傾倒(けいとう)しながら生きていました。
しかし、運命の人に出会った瞬間から、「生きる意味」が見つかったような、そんな気分になりました。
「この人と出会うために生まれた」そんなことすら頭に浮かびました。そうなると運命の人を幸せにするためには、安定した収入を確保しなければならないことに気がつきます。
したがって、転職活動や副業など、仕事にも精を出すようになりました。一石二鳥どころか、三鳥、四鳥くらいになっていますね。
3.人にやさしくなれる
自分がうまくいっていないときは、うまくいっている人や成功している人、SNSなどで楽しそうにしている人、子どもの年賀状を送ってくる人たちを妬んだり、悪態をついたりしていました。
さらに最悪なことに、会ったときに直接皮肉を吐いたりもしていました。書いているだけで「最悪だな」と今、思いました。
運命の人と出会い、仕事もきちんとこなし、収入も増え、人生が充足してくると心に余裕が生まれます。
そうなると誰のことも妬まなくなり、やさしく穏やかな気持ちをキープすることができました。
勝手な話ですが、これは自己否定方だった私が、理解者が目の前に現れ、自分を肯定できるようになったのだと思います。
4.感動しやすくなる
運命の人に出会いを経験すると、恋愛小説や恋愛映画に感動しやすくなるなんていうこともありました。
また、会社に行くまでの道端に履いている花に感動を覚えたり、いつも何気なく聞いている音楽が心の奥底にまで染みてくることも。
そんなある日電車のなかで、運命の人を思い浮かべて外を眺めながら音楽を聴いているだけで、ポロリと涙が落ちました。
「運命」「巡り合わせ」など、偶然の出来事に必然性を感じてしまうと、何か感情が揺さぶられたり、スピリチュアルになるのかもしれません。
この辺から、あまりいい状態ではないかもしれない。ということに気がつき始めました。
5.運命の人じゃなかった
「運命の人」に出会えたと感じて、たくさんのいい影響を受けたはずだったのですが、例えば、フラれた。ある程度付き合っていくなかでクズ野郎だった……。
こんなことは容易にあると思います。実際に私の場合もこっぴどくふられてしまい、ご飯も食べられなくなって、眠れなくなるほど落ち込みました。
そもそも、いまいちうだつの上がらない自分の人生の目的を、いっきに相手にシフトしてしまったこと自体、間違えだったのです。
さいごに
ひょっとしたら「運命の恋」というのもあるかもしれません。
もし、いま目の前にそれがあるという人は、必死に掴み取るべきだと思います。
しかし、その運命は、あくまで偶然によってもたらされたもので、たまたま物凄く相性のいい相手に巡り合えたに過ぎません。
「人知を超えた何か」を信じて闇雲に相手を信奉するのではなく、あくまでその出会いをきっかけと捉えて、相性が良かったとしても冷静にその出会い、恋愛を推し量り、適切な距離をとりましょう。
(ライター/吉田ヨシヲ)
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