婚約破棄された女性が、元婚約者に復讐した話【後編】

約束を破られるのはつらいですが、もっともつらい約束の破棄は、婚約破棄ではないでしょうか。

香織さん（仮名）は、両親に挨拶を済ませたあとで、一方的に婚約破棄された過去を持つ女性です。

当時は辛く、もう二度と恋愛なんてできないと思うほど落ち込んだそうです。

ですが今現在彼女は、人生を謳歌しています。立ち直ることができたのは、復讐をきっちり果たせたからだと、香織さんは語ります。

前編では、マッチングアプリで出会った彼と婚約するも、一方的に破棄され、彼はずっとアプリを続けていた、という実態をご紹介しました。

後編では、香織さんの復讐劇をご紹介します。
 
まだ前編を読んでいない方はコチラ！→■婚約破棄された女性が、元婚約者に復讐した話【前編】
 

理想の婚約者の実態は、二股常習犯だった

「香織の元婚約者からアプリで『いいね！』がきた」という友達からの知らせを受け、スマホを見せてもらうと、微笑んでいる彼の姿がありました。
 
プロフィールのステイタスは独身で、「結婚相手を見つけたい」とまで書かれていました。
 
母親が病気だからと言って、婚約を破棄したくせに、アプリで堂々と出会いを求めていたのです！
 
調べていくと、彼は、私と出会って、付き合って、婚約し、破棄するまでの二年間、ずっとアプリを使い、「新規開拓」をしていたようでした。
 
匿名掲示板でも彼のがっつきぶりは有名で、私と同じように理解できない理由で一方的にふられた女性も何人かいるようでした。
 
そこで私は、匿名掲示板上で彼に騙された女性に声をかけ、情報収拾に勤しみました。その情報をもとに、どうにかして復讐してやろう、と決意しました。
 
彼はアプリ上で様々な嘘をついていましたが、ひとつだけ本当のことを言っていました。
 
それは、彼が精神科医だということです。
 
私は医学部時代のネットワークを使って彼の勤め先の病院を割り出し、彼の同僚とコンタクトをとりました。
 
そこで、驚愕の事実を知ることになったのです。
 
彼は、一週間後に、病院の院長の娘との結婚を控えていたのです。調べてみると、彼が院長の娘と出会ったのは私の両親に挨拶にきた直後のことでした。
 
彼は、アプリで遊びながら、私と婚約し、もっと自分にとっていい相手が現れたからという理由で婚約を破棄したのです。
 

結婚式に乗り込み、元婚約者に復讐！

彼の同僚Aさんに事情を洗いざらい話すと、Aさんは同情してくれて、私の復讐計画に一役買ってくれることになりました。
 
もしかしたらAさんは、彼の病院内での地位を貶めることにしか興味はなかったかもしれませんが、そんなことは私にとってはどうでもいいことでした。
 
結婚式当日、私は彼の同僚の余興の時間に登場し、スライドを使って彼の悪事を次々とあばきました。
 
匿名掲示板で集めた、彼が女性たちに送った数々の甘い言葉や、様々な女性とのツーショット写真。
 
そして、今日に至るまでアプリのプロフィールは消されていないことなどを、とうとうとプレゼンしました。
 
彼は、顔を真っ赤にして震えていました。
 
隣に座る女性に恨みはありませんでしたが、「こんなやつとの結婚をせずにすんで感謝してほしい」という気持ちでした。
 
彼の社会的信用はあの日、地に落ちたと確信しています。
 
復讐は大成功でした。やり遂げた、と思いました。
 
彼のマヌケヅラを見た瞬間、「もうこんな男に執着しているのは馬鹿らしい」と気づけました。
 
彼のせいで、この先恋愛しない、なんてこともアホらしいと思いました。今では、「あんな男と結婚しなくて良かった！」と晴れ晴れした気持ちです。
 
（今来　今／ライター）
 
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