「妻は、何があっても自分のそばにいてくれるもの」
と、勘違いしている世の男性諸君ー!
しおらしく自分の言うことを聞いてくれていた奥さんから、突然離婚届を突きつけられても驚かないでくださいね。
逆もまた然りですが、何か気に入らないことがあるとすぐ「離婚するぞ」なんて言い出すワガママな人と、生涯を共にしたいと思うわけがありません。
冗談だった、なんて言い訳は通用しませんよね。
それでは、実際にモラハラ夫へ離婚を言い渡した強かな女性の物語、後編に参りましょう!
前編をまだお読みでない方はコチラ!→モラ夫がお望みならば離婚して差し上げます!【前編】
内弁慶にもほどがあるのでは?
夫が出先で怒鳴り散らすことはありません。
それどころか、優しくて寛大でした。
外面“だけ”いい人と一緒に暮らして始めて、中身は子どものまま年ばかりを重ねた大人のどうしようもなさを知りました。
子どもであれば、話して聞かせれば本人も行動を変えてくれるのですが、もう手遅れなんですね、あれ。
夫には何も言わずに半休を取って、役所へ離婚届を取りに行った帰りは、間違えて夫が早退していないかドキドキしながら玄関のドアを開けたものです。
それから、新居の準備も始めました。
嫌な思い出の詰まったこの家は、すぐにでも出ていくつもりでした。
私個人の持ち物はたいして多くはなかったので、1ヶ月もあれば夫の目を盗んでスーツケースとダンボールにだいたいは詰め終わりました。
夫の願い通り離婚を言い渡す日
そしていよいよ訪れた、作戦決行日。
「この日!」と決めていたわけではなく、夫が「離婚だ!」と騒ぎだしたときにと考えていたので、思ったよりも数日遅れましたが……。
とある土曜日に2人で出かけて帰ってくると、外出中に溜めていたストレスが一気に放出されたようで、夕飯を作る私に向かって、リビングからあれこれ愚痴を話してきました。
「そうねー」とか「うんうん」と適当に聞き流していたのですが、作業音にかき消されて私の声が届かなかった様子。
「聞いてんのか!」
と怒り出し、ようやく「離婚したいのか! してやる!」のお言葉をいただきました。
作業を中断すると、夫の目の前へ行き
「そうだね、離婚しよっか」
「は? そういう話じゃないだろ!」
「いや、離婚してやるっていったのはそっちでしょ。だから、離婚しましょう」
「違うだろ、ちゃんと話を聞けってことを話してたんだから……」
冷静に離婚を切り出す妻にモラ夫は……
意外と、自分がなぜ怒っていたのかは把握して発言していたようです。が、私は離婚したい。
「だから、あなたがそうやって怒って『離婚する』って言えばあなたの望む通りにしてあげられるような女じゃないの、私。だからもう、あなたがどんなに怒っても無駄。ということで、離婚するのがお互いのために一番いいと思うんだけど」
一息に言いたいことを全部伝えると、口をポカンと開けて間抜け面を見せてくれました。
「……だ、だから、本当に離婚するかどうかなんて聞いてないだろ」
「え? 今まで何回離婚するって言ってきたと思ってるの? ほら、離婚届も用意してあるから、すぐ明日には離婚できるよ」
作戦勝ち! 離婚で自由を手に入れた女性
その後も言い合いが続き、「どうせ離婚届を提出する勇気なんて本当はないんだろう」と言い捨てた夫にサインをもらい、晴れて私は離婚に成功!
自由な一人暮らしを始めました。
その間もしょっちゅう元夫からLINEや着信があり、謝るから離婚はやめてほしい、家のことが何もわからなくて困っている、手伝いに来てほしい……などなど、しつこく泣きつかれました。
もう他人なので、と言ってきっぱり断ったときにはスカッとしました。
しばらくは「結婚も恋愛もいいかな」と、思っています。
(廣瀬伶/ライター)
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