金運を上げたければ西に黄色いものを置くとか……。日本人で「風水」を知らない人は、たぶんいないんじゃないでしょうか。詳しくは知らなくても、黄色(金色)のお財布を持つとお金が入ってくる、という話くらいは知っているはずです。
それに、東京が実は、徳川幕府が風水に基づいて作った街だとか、トランプ米大統領が所有するトランプタワー(ニューヨーク)が風水によって作られたなど、ただのおまじないでは片付けられない歴史もあります。ちゃんと効果があるからこそ、活用されているのです。
じゃあ私も! と風水を実践してみようと思っても、歴史が古いせいか、そもそも難しいものなのか、「何をどうするのが良いのか、イマイチわからない」という人も多いのでは?
今回は、初心者向け「誰でもできる風水の基本のキ」をご説明したいと思います。
何より「掃除」が大事!
茶道や華道のように風水にも流派があって、○○派ではこの方角に花を飾ると良いなど、運気アップの方法も微妙に違うのですが、どの流派でも、どんな風水本を見ても共通していることは一つだけ。
それは、「掃除をする」ということです。
実際に、開運の基礎は「掃除」であり、自身と自分が生活を送る環境を美しく整えることは、良い気を受け入れる準備ができるという意味に捉えられます。
お寺のお坊さんも、朝起きて一番にすることは掃除。そこを疎かにしては、何色の何をどの方角に置いても意味はないでしょう。
……確かに、幸せそうなお金持ちの家が散らかって汚いなんて、見たことも聞いたこともないですよね。
風水的に、掃除の方法やグッズは自由。大事なのは、徹底してキレイにすることです。普段は目を向けないような隅っこや物陰になっているところも、とことん掃除してピカピカにしましょう!
玄関
風水では、すべての運気は玄関からやってくるという考えがあります。つまり、玄関は「最重要ポイント」だということ。
ほうきでホコリを掃くだけでなく、浄化の意味も込めて粗塩を溶いた水でたたきを水拭きすると良いですよ。ただし、玄関のたたきの素材によっては、塩害があるかもしれないので、2度拭きするのが安全です。
筆者の知人の営業マンいわく、「お金持ちは必ずといっていいほど、玄関がきれいで立派」だそうです。
訪問販売や保険営業などで個人のお宅に上がる職業の人は、玄関を見れば懐具合がわかるともいいます。
トイレ
風水的に、トイレは清潔を保って、フタは必ず閉めることが運気アップの基本です。また、トイレにはベージュやカーキ色といったアースカラーのアイテムが良いとされています。気のバランスが整えられて、邪気を抑える効果が高まるそうです。
また、数年前に「トイレの神様」という歌がヒットしましたが、トイレには実際、烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)という神様がいるそうです。ですので、トイレをピカピカにきれいにすると、烏枢沙摩明王が喜び、持っている金銀財宝をくれる……という言い伝えがあります。
そして、仏教の考え方では、トイレ掃除によって「自我(エゴ)を捨てられる」ことになり、結果的に運が開けると言われています。
キッチン
普通にお料理をする人にとっては、とにかく汚れやすいところです。
シンクの排水溝、ごみ箱の三角コーナー、換気扇、コンロなどなど……徹底的に掃除しましょう。
賞味期限切れの食材を、引き出しの奥にしまったままにしていませんか?
キッチンは、金運や健康運に大きな影響を与えるといわれています。毎日使う場所であるからこそ、毎日のように掃除を行い、つねに明るく清潔なキッチンを目指しましょう。
つり棚に、あえて食器や鍋などを見せて置いている場合は良いのですが、整理されずにごちゃごちゃしているのは、風水的にNG! 3年使っていないアイテムは、どんなに高価なものだとしても捨てるのが正解です。使われていない古いものが、ずっと置かれたままというのも、風水的には良くないとされています。
さいごに
いかがでしょうか? 風水と聞いて、高価な龍の置物を置く……というのは、ナンセンスですよ。
まずやるべきは、「掃除」! すべてはそこから始まります。
掃除をすることで運気アップを期待できるだけでなく、住まいが清潔に整うことで、気持ち良く毎日を過ごせるようになるでしょう! そういう変化も開運に繋がっていくはずです。
(蒼海水月/ライター)
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