嫁姑問題よりもときにややこしくなるのが、嫁小姑関係です。
せっかく新しい家族が増えて、おめでたいことなのに……お兄ちゃん、なんでこんなお嫁さんを連れて来ちゃったの!?
今回ご紹介するのは、そんな小姑側のお話です。
義実家で緊張しているだろう兄嫁と、少しでも仲良くなろうと歩み寄った、その努力を返して!
そう叫ぶSさんの経験談です。
はじめまして、兄の婚約者さま
7歳年上の兄が2年ぶりの帰省で婚約者を連れて来たのは、ある夏のことでした。
当時大学生だった私は、どんな人が来るのかと心待ちにしていました。
そして、玄関先に現れたのは、びっくりするくらいの美人さんだったのです。
「はじめまして、アヤコ(仮名)です」
礼儀正しくお辞儀をした姿を、よく覚えています。
それから客間へ案内して、お母さんがお茶を出して、両親と兄とアヤコさんは大切な話を始めました。
私は課題で忙しかったため席を外していましたが、夕飯のとき、ニコニコと機嫌の良さそうなお父さんを見て、素敵な女性とお兄ちゃんは巡り会えたんだな、と嬉しく思ったのを今でも鮮明に覚えています。
念願のお姉ちゃんに舞い上がる小姑
お風呂には私が案内をして
「何かあったら、呼出ボタンを押せばキッチンから聞こえるので。まあ、私の部屋が隣なので、大きい声で呼んでくれれば聞こえると思います」
「ご丁寧にありがとうございます。お先にいただきます。」
こんな感じでその日は何事もなく、それどころか完璧な振る舞いを見せた兄嫁でした。
こんなにも完璧な人が世の中にいるんだな、と驚きつつ、そんな素敵な女性がお兄ちゃんと結婚して、私の義姉になってくれるなんて……夢のようです。
翌朝、アヤコさんはなかなか起きてきませんでした。
長旅と、慣れない場所で緊張もしたのだろう……と家族みんなで静かに寝かせてあげました。
お昼ごろになって起きてきた彼女は慌てた様子で
「すみません! こんなに寝坊しちゃって……」
と申し訳なさそうにしていたのですが、両親がいないタイミングで私に
「こういうとき、これからもあるかもしれないから、そのときは起こしてほしい……って言ったら甘えすぎかな」
「えっ……まあ、気づいたら」
「ありがとう!」
突然態度を変えた兄嫁に冷める気持ち
将来夫になる兄に頼むならまだしも、なんで私なんだろう……と思いながらも、めったに家には来ないだろうし、と軽く考えていました。
お昼ごはんを食べて、兄とアヤコさんはもう一泊する予定になっていたので、「みんなで出かけようか」という話になりました。
私が食器を片付けていると台所に入ってきたアヤコさん。
「気づかなくてすみません、手伝いますよ!」
「もう終わりますから、大丈夫ですよ。出かける準備もありますよね」
「そんなこと言わないでください……手伝えることがあったら、何でも言ってほしいんです」
「今日はお客さんですから、あまり気を遣わなくて大丈夫ですよ」
すると、突然アヤコさんの態度が変わりました。
「お客さんじゃないです、家族になるんですっ!」
声量は抑えられているものの、ヒステリックな声色にびっくりしました。
「あっいや、そうなんですけど、そうですよね、すみません。でもそういうつもりじゃなくて……」
怒らせてしまった罪悪感と、あやしい雲行き
弁解しようと努めましたが、兄嫁のアヤコさんにはもう聞こえない様子。
「二度とそんなこと言わないで!」
と怒って兄の部屋へ行ってしまいました。
私が悪いの……?
これから出かけるというのに、不安な気持ちでいっぱいになりました。
そしてこのあと、兄嫁の本性が暴かれていきますが……後編でお話ししますね。
このエピソードは、後編へ続きます!
後編は12月10日(金)20:30に公開予定!お楽しみに!
(廣瀬伶/ライター)
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