2年ぶりに帰省してきた兄は、将来のお嫁さんを連れてきました。
美人で気遣いもできて素敵……と思っていたら、ささいなきっかけでヒステリックな声を上げるヤバい人でした。
き、気のせいだよね? 誰だってそういう失敗くらいある……信じたいのは、小さいころからのお姉ちゃんが欲しい、という夢がかないそうだから、なんかじゃないはず。
はてさて、波乱の予感のこの帰省。
どんな結末を迎えるのでしょうか?
前編をまだお読みでない方はこちら→『初対面で兄嫁の本性を暴いて婚約破棄させた話【前編】』
2人きりになると始まる、兄嫁の不可解な発言
兄嫁のアヤコさんを含めた家族みんなでのお出かけは、和やかに始まりました。
途中、アヤコさんと2人でお手洗いに並んでいるときのこと。
「もっとご家族と仲良くなりたいです」
「アヤコさんなら、きっとすぐですよ。両親も喜んでますし」
「Sちゃんも、手伝ってくれる?」
「お手伝いと言われると難しいですけど、私も仲良くなりたいです」
「よかった! じゃあ、私が気に入ってもらえるような質問とか、話とか、してほしいんです」
……んっ?
「えと……お、思いついたらがんばりますね。でも、そういうのって兄に頼んだほうがいいんじゃ」
「それだと、私が媚び売ってるとお兄さんに思われちゃうじゃないですか。Sちゃんだからお願いしてるんです」
「で、でも、私だってまだアヤコさんのこと全然知りませんし……」
「じゃあ、Sちゃんは私と仲良くなりたくないんですね!」
不可解な兄嫁の行動に、耐えきれず
いきなり怒り出すと、さっさと空いた個室に入っていってしまいました。
またしても、訳の分からない状態です。
まいったな……と思いながらも、その後は特にトラブルもなく帰宅。
しかし、どうしても引っかかる私は、アヤコさんがお風呂に入っている間に両親へ相談することに。
そうは見えないけど……と予想通りの反応だったので、
「私も気のせいかなと思ったんだけど、さすがにちょっと気になったっていうか」
そう伝えると、また次来たときにでもじっくり話そうか、と言ってくれました。
しかし、その日の夜更け。
自室でスマホをいじっていると、兄の部屋からケンカをする声が聞こえてきました。
ついに訪れた決定的瞬間。嫁小姑問題の行方は……
痴話ゲンカには関わらないほうがいい……と思って放っておいたのですが、ヒートアップする一方。
こんなに大声で話していたら、両親も起きちゃう、と思って部屋のドアをノックすると、バッと開いて現れたアヤコさんに胸ぐらを掴まれました。
「あんたのせいだ! なんでしゃべったんだ!」
グラグラと揺すられて、訳がわかりません。
見た目からは想像できないほど力が強く、兄がやっとのことで引きはがしてくれたときには、両親が何事かと集まってきていました。
ボロボロ泣いて顔を真っ赤にする兄嫁、それを押さえ込む兄、呆然とする私。
両親の目にどう映ったのかはわかりませんが、リビングに召集され、お茶を用意してくれました。
そして婚約破棄へ。ヤバすぎる兄嫁との別れ
「何があったのかは知らないけど」
父が言いました。
「感情的になっては、解決できることもできなくなる。2人のことは、明日からまた2人で考えなさい」
両親の前だからか大人しくうなずいて、翌日、アヤコさんは兄と一緒に帰って行きました。
1ヶ月も経たないうちに、兄から
「アヤコとは別れた。俺のスペックとか、家のお金が欲しかっただけみたい」
と連絡が来て、一連のトラブルは幕を閉じました。
素敵なお姉ちゃんができたと喜べたのはほんの一瞬でしたが、私がいなかったらアヤコさんの本性は暴かれず、兄も両親も利用されていたのかもしれないと思うと、ゾッとします。
(廣瀬伶/ライター)
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