ワーカホリックパパが、仕事での失敗からキャラ弁作りに目覚めた……なんて話、にわかには信じがたいですが、なかなかの胸熱です。
しかし、ここで問題発生。仕事が暇になったためワーカホリックパパことツヨシさんの仕事がふたたび忙しくなってきたのです。
キャラ弁を作る時間を十分に取れなくなったツヨシさん。このあとどうなるのでしょうか?
前編をまだ読んでいない方はこちらから:「仕事ばかり! なパパがキャラ弁作って頑張るハートフルストーリー前編」
キャラ弁パパが仕事人間に戻るとき
タクトくんと一緒に過ごす時間も減り、お弁当もシンプルなものになり、その分だけ仕事に打ち込んでいきました。
もともと大好きな仕事だった上にプロジェクトが短納期だったことから、仕事中はタクトくんに対する申し訳なさも忘れられたのだとか。
しかしとうとう、ただののり弁になってしまい、最後には朝お弁当を詰める時間すらなくなってしまったのです。
お昼ご飯を買えるようお金だけ渡して、朝から晩まで仕事。
そんなお父さんに、タクトくんは寂しさと怒りを募らせていきました。
ワーカホリックパパの苦悩
ある日、ツヨシさんが仕事を終えて家へ帰ると、タクトくんが起きて待っていました。
「まだ起きてたの」
「父さんに話があるから」
それは、お弁当を作ってくれなくなったことへの不安と、悲しみについて。
「うちの父さん、キャラ弁作れるんだって、みんなに自慢してたんだよ。なのに、今じゃ買い弁。仕事ばっかで俺のこと全然見てくれないじゃん!」
そう言って、自分の部屋へ戻って行ってしまったのです。
キャラ弁がつなぐ親子の絆
思っていたよりもことは大きくなっていたと知り、ツヨシさんはその日久しぶりにビールを開けました。
しかし、仕事は容赦ありません。
これまで以上に集中して、そして、ついに忙しいプロジェクトも終わりを迎えました。
翌日。
ツヨシさんは早起きしてキッチンに立っていました。
久しぶりのキャラ弁作りは、楽しくて楽しくて、気がつけば熱中して作り込んでいました。
そして……タクトくんへの手紙も添えて、テーブルに用意し会社へ出かけていきました。
その日帰ると、タクトくんがリビングで待っていました。
「あのね、父さん」
ツヨシさんは黙って言葉を受け止めました。
「本当はキャラ弁なんてなくてもいいんだ。ただ……料理してる父さんが、いいなって」
キャラ弁作って人生変わった仕事人間パパ
それからツヨシさんは、仕事を調整できるよう異動願を出しました。
お弁当作りを続けるためには、それしかなかった。
でも、後悔はありませんでした。
さらには新しい部署で、お弁当作りの経験が、キャリアと育児の狭間で戦う気持ちを知ったことが役に立ち、大きな成功を収めたのです。
家庭の時間も大切にしながら、やりがいのある今の仕事を好きになっていったそうです。
これが、キャラ弁作りが得意なワーカホリックパパの誕生秘話のすべてです。
(廣瀬伶/ライター)
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