インドで一児の母として子育て奮闘中のライター、キタミカです。
息子が生後4カ月と1歳8カ月の頃に日本に一時帰国したことがあります。
ネットのニュースなどで“レストランでの授乳はケープを使用しても御法度”“ベビーカーの集団は迷惑だ”など、日本での子育て事情について厳しい意見を聞いていたので、いささかビクビクしての帰国でしたが、実際は特に問題なく過ごせました。
インターネット上で交わされている激しい論争と比べ、現実世界では良くも悪くも皆、他者に興味がないようにも感じました。
日本に帰国時の体験です
私は子供とベビーカーで外出していたのですが、駅で出口を間違え、地上に上がるまで階段のみ、という絶望的な状況に陥ってしまいました。
以前、ママ友から、
「日本人は積極的には助けてくれないけど、声を掛けたら断る人はいないから、自分から声を掛けるといいよ」
と、アドバイスをもらっていたのですが、いざ声を掛けるとなると、なかなか難しいもの。
“あの人は荷物が多い” “あの人はイヤホンをしている” など、考えるうちに、どの人に声を掛けたらよいのか分からなくなってしまいました。
すっかりタイミングを逃してしまい、階段の前で困っていると、
「May I Help you?」
と、初めて声を掛けてくれたのは欧米人女性でした。
私はとても嬉しくなり、
「Yes please. Thank you!」
と、お礼を言うと、なぜか、前にいた50代くらいの日本人男性が振り返り、ベビーカーを持ち上げ運んでくれました。
また、この時だけでなく、日本で子連れ外出時、困った時に、声を掛けてくれるのは圧倒的に外国人が多いような気がします。
私が自分から、「手を貸してください!」と声を掛けるのに躊躇(ちゅうちょ)してしまうのと同じく、「助けましょうか?」と声を掛ける側の日本人もシャイなのでしょうか?
子連れで訪れたメキシコでの体験です
やはり私は、駅構内の階段を前にして、ベビーカーに乗せた我が子とボー然としていました。エレベーターもなく、ひと気もありません。
見当たったのは、熱く抱き合いキスをしているカップルだけ。
メキシコではよくある光景なのですが、気を遣ってしまった私は、そのカップルに声を掛けることができませんでした。
自分でベビーカーと息子を持ち上げて、「よし、行くぞ!」と気合を入れた時に、やってきた救世主‼
それは、さっきまで彼女と熱いキスを交わしていた彼氏でした。
さすが、アモーレの国メキシコ。子連れにも優しく、感動した瞬間です。
駅構内の階段に限らず、建物内のちょっとした段差などでも、サッと手を差し伸べてくれる方が多かった気がします。
それは、アメリカ、インド、その他ヨーロッパの国々でも同じく。
私自身、人に助けを求めることが苦手なのですが、子育てをする中で、どうしても誰かの手が必要な状況は多々あります。
そして、見知らぬ人に声を掛け、手助けをする日本人が少ないのは、他人に無関心という点もあるのかもしれませんが、相手の気持ちを考え過ぎた故に声を掛けられないという場合もあるかもしれません。
育児中のママさんは、積極的に周囲の人の手を借りても良いと思います
手動式ドアや駅の階段などで、人に声を掛け、ちょっとした手を借りることにより生まれる交流は、育児のリフレッシュにつながるかもしれません。
また、そういったママさんを見かけた人は、余裕のある限り、ひと言でも声を掛けていただけると、ママさんたちはうれしく、励みになるものです。
顔の見えないインターネット上では、日本で子育てするママへの厳しい意見の交わし合いなどが見受けられたりしますが、異なる意見をもつ人であっても、現実世界での小さなコミュニケーションにより双方の理解を深めるきっかけにつながると思います。
日本でも、道端で、我が子に声を掛けてくれたり、あめなどをくれたりする、気さくな人がいるのも事実です。
そういった、コミュニケーションが、日々の育児で煮詰まっている時、心の安らぎとなりました。
育児に悩みやストレスは尽きませんが、日常のちょっとしたコミュニケーションが、相互の思いやりにつながり、あなたの育児のしやすい環境に変わることでしょう。
(キタミカ/ライター)
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