いつの頃からか定着した、「マウント」や「マウンティング」と言う言葉。
もともとは哺乳類が自分の優位性を示すため、馬乗りの姿勢になることでしたが、総合格闘技において相手に完全に馬乗りになるポジション(とても殴りやすいし、関節技にも移行しやすい)を意味するようになりました。
また、そこから派生し、同じような心理から生まれる人間の言動を指すようになりました。
つまり、仕事や容姿、出身地などといった自分のステータスで相手に優位性を見せつけて精神的にダメージを与える行為を「マウントをとってぼこぼこに殴る」、「マントをとる」、「マウンティング」なんて言ったりします。
SNS上で特に多く見ることができるのですが、マウントをする人たちは実生活にもあふれています。今回は、そんなマウンティング女子たちの実例を覗いていきたいと思います。
住んでいる場所でマウント
「取引先の男性も含めた複数人での飲み会にて。終電の時間もせまってきていたので、そろそろ解散ムードに。しかし、誰も気にしていないのに、私の会社の先輩が『私は神楽坂に住んでいるからまだ飲めるの♪』と、都心に住んでいるアピールをしていました。
挙句、『あなたは八王子だからそろそろ帰りなさい』と、私の居住地をディスりはじめましたのです。酔っ払っているのかなんなのかわかりませんが、全員その悪意に気づいていましたよ。」(32歳/派遣会社)
きっとその先輩はお酒の効果で理性がゆるまっていたんでしょうね。自分が優れている点を猛烈にアピールしたくなったのでしょう。
そして、この先輩は2度と飲み会に呼ばれることはないでしょう。マウンティングによって失ってしまったものは大きいですね。それにしても神楽坂って……。
配偶者でマウント
「数年前に結婚した友人が、やたらと自分の夫のいいところをアピールしてきます。シンプルにとてもうざいです。
SNSでは、『旦那くんがプレゼントしてくれました』的な投稿を繰り返し、リアルに会ったときには『私の夫はすごく音楽に詳しいの』『私の夫は○○大学を出てるの』『私の夫は〇〇(著名人)と友達なの』などなど……。
知らんがな! 一生、夫と自宅から出てくるな! 私がドアを溶接してやるよ!」(30歳/アパレル)
わかります。これは結婚したての女性にとても多いですよね。この配偶者マウントの心理は単純で、結婚生活がものすごく不安なのです。
「結婚のタイミングは正しかったのか?」「結婚相手はこの男で大丈夫だったのか?」「先々のお金は足りているのか?」。それらの不安をかき消して「自分は間違っていない」という自己暗示にひたるために、こういった行為に走るのです。
子供でマウント
「会社に頭のおかしな先輩がいます。私が所属している会社は10人程度の小さな会社で、社員全員で共有しているLINEグループがあります。
もちろん、このグループは業務連絡専用なのですが、その先輩はここに子供の写真(少し自分も見切れている)を送りつけてくるのです。しかも無言で……。
彼女以外の女性社員は全員独身。もちろんみんな無視しています。『うざいマウンティング』を通り越して『ホラー』だよね。と、みんな陰で罵っています。」(25歳/制作会社)
これは恐いですね! 一時期、家族写真の年賀状に憎しみを抱いてことがありましたが、これはそれよりも暴力的な要素を感じ取れます。
この「子供マウント」は、「配偶者マウント」に行動要因が似ていて、「お子さんかわいいですね」この一言を他人からもらうことによって、自分の行動や選択を肯定したいのです。
下手に他人の子供をディスると自分の人格が疑われてしまうので、無視で正解だと思います。そして何より子供には何の罪はないので、可哀想ですね……。
出身地でマウント
「フリーの仕事をしている同業の友人がいるのですが、あらゆるSNSのプロフィール欄に『○代続く東京出身者です』と書いているのです。
出自で他人と差別化をはかろうとしているのだと思いますが、それは地方出身者に対するマウントでしかありませんよね。
それを書いたところで仕事が入ってくるわけでもないですし、どのような理由でそれを誇っているのか……。心の闇を少し感じています。」(38歳/出版社)
確かに、東京には地方出身者がたくさんいるので、このような書き方は多くの人に角が立つような気がしますね。そして、逆に仕事がなくなってしまうのではないでしょうか。
出身地なんてガチャでしかありません。そこで人の価値を推し測ったり、主張したりするのは差別にもつながりうる、ちょっと危ない考え方のようにも思えます。
さいごに
いかがだったでしょうか? 簡単に「マウンティング」と一言で言っても、多種多様でとても幅広いことがわかりますね。
本能のままに行動して知らない間にマウンティングをしていることや、マウンティングされていることに気がついていない……なんて方も何人かいました。
いずれにせよ、自分の欲望や願望を満たすために、あるいは不安や不満を解消するために、周囲の人間を利用し否定する行為であることには違いありません。
対処方法はただひとつ。
違和感を感じたらその人物からはとにかく距離を取りましょう。
「マウンティング」の語源のひとつである総合格闘技でも勝つためには距離感・間合いが大事なのです。つまり、手の届かない場所にいれば打撃は当たりません。
(吉田ヨシヲ/ライター)
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