こんにちは、婚活FP山本です。
マイホームが欲しいと考えた時、子どもが小学校に入るタイミングで購入を検討するご夫婦が多いんじゃないでしょうか。ただ、その時にはまだ十分な貯金ができていないかもしれません。
そこで今回は、頭金ナシでの不動産購入におけるメリット・デメリットをお伝えします。
あなたの不動産購入に、お役立てくださいませ。
メリットは当然『頭金不要』
まずは結論から。頭金ナシで不動産を購入するメリットは、当たり前ですが……『頭金が不要』ということです。
一般的に不動産購入時の頭金は、諸経費なども考えて物件価格の2割程度は準備するのが望ましいとされています。
仮に4000万円の物件なら800万円ですね。
とはいえ、800万円は簡単に貯金できる金額ではありませんし、親からの支援が期待できない場合もあります。「貯まったら買う」と待っていては、どんどん購入時期を逃してしまいます。
そういう状況で『頭金ナシで不動産を購入できる』のは、やはり大きなメリットといえるでしょう。
ちなみに頭金が不要ということは、消費者目線だと『今の家賃と比べて、支払いが〇万円上がる』と、考えやすい点もメリットといえます。
とはいえこれは、実はデメリットでもあるのですが、それはまた後で詳しく解説いたします。
デメリットは審査の厳しさと金利、そして……
正直なところ、ファイナンシャルプランナーとしてアドバイスするなら、頭金ナシでの不動産購入はあまりお勧めしません。
なぜなら、本来は頭金になる分が住宅ローンの中に含まれるため、最終的には頭金があるケースより多くのお金を金利として支払うことになるからです。
年々高まる子どもの教育費も考えて、支払い続ける自信があるでしょうか?
それに頭金ナシということは、基本的に月々の返済額が多くなり、そのぶんローン審査が通りにくくなります。住宅ローンは誰でも組めるものではないので、注意が必要です。
さらに、不動産を購入すると、実際には住宅ローンの返済だけでは済みません。
固定資産税や火災保険料、経年劣化する部分のリフォーム積立、場合によっては町内会費など、賃貸では不要だった支払いが発生します。この点は、多くの人が計算違いを起こす部分です。
そして、子どもがいる家庭では、中学生くらいから教育費がグングン上がります。自分と夫との収入が、生活費と教育費、ローン返済に耐えられるかどうかのシミュレーションも大切です。
バブル崩壊後から、マイホームを購入はするものの、途中で支払いができなくなって手放す……というケースが増えていますので、くれぐれも「購入後」を考えて慎重に!
相談の結果、購入を見送ったご夫婦を紹介
私の相談者に、共に30代前半の北口さん夫婦(仮名)がいました。
北口さん夫婦は20代前半で結婚し、子どもにも恵まれた共働きのご夫婦です。
子どもが小学生に上がるタイミングで不動産購入の相談にいらっしゃったため、希望の不動産額はいくらか、子どもの教育費をどのくらい予定しているのか、などを聞いて家計状況を確認しました。
すると北口さん夫婦は、共働きのせいか生活水準が高く、貯金がそれほどないことも分かりました。「頭金ナシのフルローンでマイホームが買える」という不動産屋の営業トークを信じていたのです。
私はフルローンの危険性を説明しつつ、このまま不動産を希望通りに購入すれば、将来的に教育費が不足することを、家計診断結果を見せながら説明しました。
ご夫婦は、月々の返済も考えて購入する不動産の予算を、まず下げましたが、最終的にはマイホームの購入自体を見送り、家計を見直す方向性で落ち着きました。
まとめ
頭金ナシでの不動産購入は、一見すると『高額な頭金が不要』と魅力的に映るかもしれません。
しかし審査の強化や金利負担、さらにその他の支払いや家計状況を考えれば、ちょっと危険な行為といえます。
不動産は一生で一度の買い物だからこそ、一生で一番慎重になりましょう。
(婚活FP山本/ライター)
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