「言うべきか言わざるべきか、それが問題だ。」
確かに、どっからどうみてもおかしいと思うし、直した方がいいことだと思う。
ただ、“相手のため”を思うと言わない方がいい気もするし、結局は“嫌われるのが怖くて”に指摘するのを恐れているだけなのかもしれないし…。
そんな自分の「優しさ」に悩んだことはありませんか?
「優しさ」って、誰のどんな行動・発言をもってして「優しい」と言うのかの明確な基準がないから、自分のしようとしていることが心から良かれと思ってやってることなのか自信が持ちにくいんですよね。
そんな悩みに陥った時のために、自分の気持ちを客観的に見る方法をお伝えしましょう。
本当の優しさは脳を酷使する
例えば、上司が部下のことを叱るシーンを思い浮かべてください。
その叱責が部下のためを思って言っているのか、ストレスを発散したいがために怒っているのか、って外から見ればよくわかりますよね。
そのあとにその上司がぐったりしているなら、部下のためを思っての言葉。イキイキとしているなら自分のための言葉だったということなのですが、なんとなく納得感ありませんか?
人に優しくするとすごく「疲れる」
なぜならば「相手のためを思って言うセリフ」は、相手に嫌われる覚悟で・周囲への影響も考えつつ・相手の成長を願って・慎重に言葉を選ぶ必要があるので、ものすごく疲れるものだからです。
ですからその言葉が「優しさ」からくるものなのか、「利己的な動機」からくるものなのかを悩んだら、「この言葉を言うことで脳みそをフル回転させる必要があるかどうか」を考えてみましょう。
これを考えることで、自分がスッキリしたいだけなのか、相手のためを思って言おうとしているのかは、よくわかります。
言うべきタイミングと言わない方がいいタイミングの違い
ただ、どんなに心から「言った方がいい」と思えることでも、相手のことを思うのであれば言うべきタイミングは選んだ方が良いでしょう。
言うべきでない時は「自分がそれを言うことで、相手が自然と学ぶチャンスを奪うことになる」ときです。
人は痛い目にあってようやく学習することができるので、「それを続けている限りどこかで痛い目みるぞ」とわかっている時は、あえて言わないで痛い目にあってもらうことが相手にとっての優しさとなります。
逆に、何度も痛い目にあっているはずなのに、全く治らない時はビシッと言ってあげることが優しさとなります。
本人にはそれが「直さなくてはいけないこと」だという自覚がないのです。
ですからあなたが言ってあげないと、一生その自覚が生まれずに痛い目に会い続けることになります。
言うことだけが解決策とは限らない
いずれの場合にせよ、言うべきか言わざるべきかを悩んだら、「私心なかりしか」(自分のためにそうしようとしているだけではないか?)と自分の心に問いかけてみてください。
自分の心は正直です。その言葉に「我の心に一片の曇りもない」と即答できない場合は、だいたい「優しさ」ではありません。
また自分の「優しさ」と思っていたことが、「本当の優しさではなかった」と気づいたとしても、その気持ちを責める必要はありません。
むしろ「スッキリさせたいモヤモヤがある」ことに気づいたことをよしとすべきです。
もしかしたらそのモヤモヤを晴らすための手段は、「彼に何かを指摘すること」ではなく、「自分の話をきちんと聞いてもらうこと」であるかもしれないのですから。
(川口美樹 /ライター)
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