以前、お布団は最高の恋人だ、というツイートをみたことがあります。
「どんな自分でも受け入れてくれて、何も言わずに自分を温めてくれる」からだ、そうです。
僕はその意見を聞いて、「代わりにどんな人とでも簡単に寝るけどね」と思ってしまいました。(お後がよろしいようで)
さて、冗談はさておき、最近はそんなお布団のような優しい彼氏が増えて来ているようです。
しかし一方で、「受け入れてくれるのはありがたいけど、彼自身の意見や主張がなくて物足りない」と思う彼女も増えて来ているようです。
そこで今日はそんな「量産型クッション彼氏」から、自分の意見もはっきり述べられる、でも優しい、そんな低反発彼氏の育て方をご紹介しましょう。
意見がない、のではなく出すのが怖い
何かを決める時の口癖は『どっちでもいいよ』、『〇〇の好きなのにしなよ』、そんな一見無責任な発言にイライラしてしまう、そのお気持ちはわかります。
僕も仕事する上で「意見を出さない人」を嫌という程見て来ました。その度に、「お前、なんのためにこの場所にいるんだ!」と叫びたくなりましたが、いまは考え方が変わりました。
僕のビジネス経験から言えることは「意見がない人」は実は、「あるんだけど言えない」人であることがほとんどなのです。
「いい子」に育つと意見を言えなくなる
実は「意見を出せない人」は「頭が良くて、人当たりも良くて、優秀な成績を修めている人」が多いです。
裏を返せばそれは「世渡り上手で、できるだけ周囲との衝突を起こさないように、親に迷惑をかけないように」生きて来た人である、ということでもあります。
そういった「いい子」に育って来た人は、「わがままを言ってはいけない」「自分のリクエストで人を困らせてはいけない」「意見を言うことで嫌われてしまうんじゃないか」という思考を無意識の中にプログラミングされているのです。
ですから、一瞬意見が浮かんで来てもそのプログラムが働いて、その意見を押し殺してしまうのです。
このプログラムは強制的に自動的に作動するので、本人の意識でどうこうなるものではありません。こちらの対応を変える必要があるのです。
意見がない人の意見の引き出し方
意見のない人から意見を引き出す方法は実は簡単です。
「この人は意見のない人」と見るのではなく、「あるのだけど出すのが苦手な人」だと認識すればいい、これだけです。
そういう風に人を見るようになると、意見を聞くのではなく、本人が「気づかないうちにしている主張に気づく」ことができるようになります。
彼に意志のある人だと自覚させる会話術
例えば、彼がコンビニでお菓子を選ぶ時、じゃがりこを買ったとしましょう。
彼はこの時、「じゃがビー」でもなく「ポテロング」でもなく間違いなく「じゃがりこ」を選んだのです。
もちろんここで「何でじゃがりこなの?」と聞いても「え、いやなんとなく」としか返ってこないでしょう。
そうではなく、『わたしはポテロングも好きだけど、〇〇君はじゃがりこが好きなんだ、今度じゃがりこも買ってみよう』と伝えるのです。
そして実際にじゃがりこを買い、その感想をフィードバックするわけです。
この人には自分を出してもいい、という安心感を与えよう
これによって彼は「自分の意思で選んでいるものが、好きな人に受け入れられた」ことを自覚します。
こういった細かい作業を繰り返されることで、「この人になら自分の価値観をさらけ出しても大丈夫、否定されなさそう」という印象を彼が抱くようになります。
するといずれ彼の方から、「ねぇ、今こんなこと考えていて」「今度こんなことしようと思うんだけど」と勝手に意見を出し始めるようになるのです。(これはマジです)
クッション彼氏を低反発彼氏に育てる方法
もう20年近く「いい子」であり続けた人が、あしたから急に意見をバリバリ出すようになる、なんて魔法みたいなことは起こりません。
クッション彼氏を低反発彼氏に育てるには、日々コツコツと彼の「当たり前すぎて気づかない意思決定」に興味を持って会話を積み重ねていくしかありません。
繰り返しになりますが、「意見がない」のではなく、「出せない」のです。もっといえば「地味に出している」のです。「ない」ことにフォーカスせずに、「もうある」ことにフォーカスすることが人を育てる上では重要です。
あなたも上司に「できていないこと」をネチネチ指摘されるよりも、「すでにできていること」を褒めてもらったほうがもっと頑張ろうと思えるでしょう?
それと同じですよ。
(川口美樹 /ライター)
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