カワウソ祭です! 前回は「3B」な男を愛したカッコいいナナさんの話でした。今回もカワウソの周囲にいる、最高な女性をモデルにしたお話を紹介します。
今回のお話|強い乙女なユキさんの話
ユキさんはとても面白くてカワイイ。ポジティブで誰に対しても親切で、女友達の支持が厚いタイプ。しかし、長らくあまり良い恋人に恵まれない時期が続いていたといいます。
現在は素敵な旦那さんと子供がいるユキさん。傍目には素敵な彼女の「強い乙女」な性格には、良い面と悪い面があったと話してくれました。 |
女から愛される最強の女
カワウソがとあるスナックでアルバイトをしていたころのお話です。
スナックって、大抵カラオケがあるのをご存知でしょうか?
使い方や料金設定はまちまちですが、お酒を飲みながらお店のみんなに見守られて歌うカラオケは、どこのスナックでも妙に楽しいものです。
カワウソはこのスナックカラオケを友達と存分に楽しみたいと思い、バイト先のママにお願いして、お店を貸し切って宴会を開いたことがありました。
声をかけた10人ほどの友達のうち、ぜひ一緒に遊びたかったのがユキさんです。
彼女はとてもポジティブで話が面白く、誰にでも親切で、働きもので、いつもかわいいファッションで……なんというか、女友達から絶大な支持を集めるタイプなのです。
よく飲みよく歌って、スナックカラオケの会は大いに盛り上がりました。
特にユキさんが歌った渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」は涙が出そうなほどのクオリティでした。
更にみんなが楽しく過ごせるような気づかいも完璧で、特別に出勤してくれたママさえ「やるわね……」と唸らせるほど。
この時の感動と「ユキさんって、何を経てこんな人になったんだ?」という疑問は、後々までカワウソの心に残ることになりました。
苦難の時代、そしてサクセス!
彼女の“良さ”は、SNS上でも変わりません。
楽しいことやかわいいものに溢れた暮らしを覗かせ、自撮りをあげれば自分で「#かわいい #天使 #アイドル」とアゲまくり、全方位にポジティブを振りまいていました。
カワウソの心は一発で掴むユキさんですが、本人いわく恋愛遍歴は「長いこと人を見る目がなかった」と言うのです。
「若い頃は『この人いいかも!』と思うと気持ちが突っ走って、知り合ってすぐ付き合ってたんだよね。
友達時代がないから相手の本性まで深く知らなくて、結局すれ違うというか……。でも、私も“自分のイメージ通りの彼氏”を求めてたのかもしれないなぁ」
本当は浮気性の人なんか好きじゃないのに、暴走気味なユキさんを上手に受け止めてくれるのは、女好きな人。
「私のことだけ見て」「変わってよ」と一生懸命に相手をコントロールしようとしても、相手のもともとの性格を変えるのは無理があり、疲れて別れるの繰り返し。
でも、そうした恋愛を経て、恋愛を諦めつつあった時に登場したのが今の旦那さんなのだそう。
「友達として仲良くなりすぎていて、恋愛対象として意識していなかった」という彼の巧みなアプローチを受け、ユキさんはサクッと結婚。
「このたび皆さんのアイドルを引退します!」とギャグをかましつつ、彼女らしいハッピーな挙式を経て、最高にかわいいお子さんも授かりました。
大人な自分と乙女な自分
「自分を『かわいい』とか言うのは、『私はブス』とか『デブ』とか、自分を卑下する人へのアンチテーゼだし。
本当は言われたくないこと言って自分を下げても損しかしないから、嬉しいことを言った方が楽しいし。アウトプットをアゲアゲにするのも、愚痴より楽しいことを残したいだけなんだよね」
本当に、どんな人だって堂々としていた方が絶対にいい。私はかわいい! と自称するユキさんは実際にかわいくなる努力をしているし、「そうだそうだ」と思う人が友人や旦那さんになっていく。
エキセントリックに見えて、すごく大人な行動だ。
そして「カワウソは私を自己肯定力が高いと言うけど、自分ではそう思わないんだよね」と続けます。
「むしろコンプレックスの裏返し。根が小心者だから、誰かに頼らずに自立しようとしてきたし、ふざけてても何だかんだ真面目だし。
誰とでも仲よくできるタイプじゃないから、人といたら盛り上げるけど、恋愛には乙女チックな理想が強かったんだと思う。だからテンプレ的なダメ恋愛をしちゃったんじゃないかな」
ユキさんはしっかり仕事もできたから、独身でも楽しく生きられたかもしれない。
でも「結婚して子供を産んで、他人と人生が交わることで、思わぬ新しいなにかになれたのが楽しい」と言います。
そして「私はちゃんと私のことを好きでいてくれる人が欲しかったんだと思う」と。わかる、わかるなぁ……。
「ギャル」に感じる尊さの正体
カワウソは「ギャル」という概念のファンです。
具体的にどのモデルやタレントというよりは、その時代時代に現れる、かわいくて元気で、着たい服を着て、好きに振舞って、空気を読んだりしない女の子たち……。
そういう概念としての「ギャル」に感じる魅力を分解してみると、「カワイイ」と「強い」や、「面白い」と「真面目」、「花」と「毒」が同居している点だと思い当たりました。
ユキさんも、シンプルに1つの要素しかない人間ではなく、複合的な「ギャル性」を含んだ魅力がある人です。
あくまで妄想ですが、もしかすると彼女の旦那さんも、そういう複合要素を見抜ける“正しいファン”だったんじゃないでしょうか。
カワウソはユキさんのような尊い人たちがみんな、正しいファンと知り合って幸せになってほしいと、マジ卍で思うのです。
(カワウソ祭/ライター)
第1回
スナックカワウソの最高な夜#1「カッコいいナナさんの話」
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