こんにちは、沙木貴咲です。
どんな人が好き? と聞いたときに「価値観が同じ人」と答える人は多いでしょう。
たぶん「やさしい人」に続いて多いんじゃないでしょうか?
けれど、自分と同じ価値観をもつ人を恋人にすると、あとで不思議な感覚に陥ってしまうかもしれません。
「私が好きになったのは、こんな人だったっけ?」と首を傾げる可能性があるんです。
同じ価値観を求めて恋をしても、実はあまり意味がないのです。
価値観は簡単に変わってしまう
価値観ってそもそもなんでしょうか。
それは、善悪や好き嫌いなどを決めるにあたり、根底となるものの見方のことです。
恋愛観、仕事観はもちろん、なににポリシーをもつかという人生観もあるでしょう。
日常生活においては、食べ物の好み、笑いのツボ、仲よくしたいと感じる友人のタイプなどが挙げられます。
それらは、生まれてからの人生の中で作られたり、生まれもった生理的な好みがあったりしますが、大抵は変わりゆくものです。
価値観とは、身近に接する人の影響を受けて、意外にも簡単に変わってしまうものなのです。
恋をすると好きな人の色に染まる人がいますが、
これは「恋人によって価値観が大きく変動するタイプ」。
このタイプでなくとも、好きな人の好みや興味を示す分野はすすんで受け入れたくなるのが恋ですから。
恋愛で人の価値観はいくらでも変わるのです。
鈍感力で価値観を変えて、恋を長続きさせる
『鈍感力』(渡辺淳一/集英社)は、2007年の流行語大賞にノミネートするほど話題になったベストセラー。
著書の中で渡辺氏はこう述べています。
「まさに恋愛は人を変える」
「まさしく恋愛は革命です」
「変わりうる力、これこそ鈍感力です。(中略)これがあったからこそ変ることができて、
彼女とうまく恋愛関係を続けることができたのです」
融通の利く価値観をもっていること(つまり、鈍感力があること)で、
恋はうまくいき、恋人との関係性も長続きするという意味。
価値観はどんどん変化した方がいいと、渡辺氏は述べているんです。
恋愛と、こだわり・ポリシー
自分のこだわりをもってそれに執着する人ほど、
そのこだわりが自分にとってどれだけ価値が高く、どのくらい自分を守っているのかを考えるといいかもしれません。
「これだけは絶対に譲れない」と頑固になっている部分が、意外に重要ではない可能性だってあります。
また、彼氏がほしいと思ったときは、
自分と価値観が合う人を探すのではなく、なにに対しても柔軟で融通が利くタイプのほうが、付き合いは安定して長く続くでしょう。
ストイックでしっかりとした自分をもつ男性は魅力的ですが、
彼女の食べ物の好みも受けつけられないような人だとすると……?
一度立ち止まる必要がありますよね。
揺るぎない価値観を、どこまで魅力として認めるかは、自分の中で基準を設けておいたほうが安全です。
「鈍感力」をもって、すてきな恋愛を楽しみましょう。
(沙木貴咲/ライター)
参考:『鈍感力』(渡辺淳一/集英社)