こんにちは、婚活FP山本です。
女性であれば、独身でも既婚でも一度くらいは『夫の年収が1000万円くらいあったらいいな……』と考えたことがあるのではないでしょうか。
しかし、実際の年収1000万円って、どの程度の稼ぎなんでしょう? そして、年収1000万円の人はどんな生活をしているのでしょうか。
そこで今回は既婚女性に対して、夫の年収が1000万円と仮定した場合の現実をお伝えします。
すでに結婚されている女性はもちろん、独身女性の方も、どうぞ参考にしてみてください。
年収1000万円の手取りは○万円
まずは、年収1000万円を現実的にお伝えします。
1000万円とは額面金額なので、この額から所得税と住民税、それに社会保険料を差し引き、手取り額を計算します。すると、細かい計算は省略しますが、おおよそ700~750万円になります。
次に、勤め先が仮に『年2回、2カ月分のボーナスを支払う』とすれば、毎月の手取り額は約44万円~47万円と計算できます。
ちなみに、30代前半男性の平均年収は約450万円といわれていますが、ボーナスがない職場に勤める場合を計算すると、手取り月収は約28万円になります。
その差はわずか19万円……。お金に対する印象の持ち方は人それぞれですが、一般的には『思ったより多くない』と感じるはずです。
夫婦の小遣いを5万円ずつ上げ、少しいいところに住み、日頃の食費を少し上げれば、吹き飛んでしまう金額だといえます。
また、年収1000万円の旦那さんは、妻を専業主婦にすることがありますが、先ほどの19万円という金額差(年収450万円の男性との差)だけで考えれば、年収450万円の夫を持つ共働き世帯と大差ない生活水準になるといえます。
年収1000万円では豪遊生活ができるわけではないのです。
高収入世帯ほど家計赤字になる落とし穴が
年収1000万円のリアルは、想像とはだいぶ違うのです。
実際に年収1000万円を稼いでいる夫、または夫婦のどちらも、年収の高さに気がゆるむせいか貯金がおろそかになりがちであり、生活水準だけがドンドン上がる傾向にあります。
そして、ほとんどの方はサラリーマンですから、定年があります。働けなくなり、年収1000万円を維持できなくなる時期が必ず来るのです。
60歳までに高い生活水準を維持できるような貯金ができなければ、高額な退職金をもらっても、老後ある段階で家計破たんを起こしてしまうでしょう。
あるいは年収が高いからこそ、ムリな住宅ローンや子どもの高額な教育費で潰れるパターンが少なくありません。
このため、少なくとも『夫の年収が1000万円あったら幸せ』とは言い切れないのです。むしろ収入が高額なぶん、さまざまな誘惑に耐え続けなければならないかもしれません。
お金がなくて買えないなら諦めもつきますが、お金があるのに自分の意志で我慢して買わないのは、それはそれでキツいのではないでしょうか。
年収1000万円で1億円赤字のご夫婦を紹介
私の相談者に、ともに50代前半の井上さん夫婦(仮名)がいました。旦那さんは一部上場企業にお勤めで、年収1000万円。奥さんは専業主婦です。
会社で『定年後のためのセミナー』があり、そこで話を聞いたところ、老後が少し不安になったので念のために……と、私のところにいらっしゃいました。
この時点で貯金が1000万円近くあり、退職金も2000万円ほどを予定していたため、終始『大丈夫ですよね?』と楽観視されていたのですが……ご夫婦の予想は大外れ。
現状の生活を続けていけば、90歳を迎える頃には1億円の大赤字となる計算結果になったのです。
その主な原因は『高過ぎる生活水準』と『高額な親への仕送り』そして『老後の高望み』でした。
しかし、すでに当たり前となった生活水準は、なかなか下げられないもの。ご夫婦にとっても、そんな状況が訪れるとは、想像できていないようでしたので、定年までのライフプランは綿密な立て直しが必要になっています。
まとめ
夫の年収が1000万円あっても、必ずしも幸せになれるとはかぎりません。むしろ場合によっては、年収が低い・平均的な方以上に不幸を感じることもあります。
旦那さんの年収がいくらであろうとも、身の丈に合った生活を楽しむことが、やはり一番大切なのでしょう。
(婚活FP山本/ライター)
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公開日:2018年1月31日
更新日:2019年12月18日