編集部S子が聞く、【はあちゅうインタビュー:アラサー女性のリアル】。最終回となる第四回目のテーマは、「スピリチュアル」です。
現実的な感覚で鋭い意見を述べるはあちゅうさんですが、目に見えない世界「スピリチュアル」についてはどう感じているのでしょうか?
--著書「半径5メートルの野望」(注1)の中で、「気の流れを変える方法」が書かれていましたが、スピリチュアルについてどう思いますか?
はあちゅう:「気の流れ」はちょっと考えますね。つい数日前なんですけど、やたら人とぶつかりそうになる日があって、「あ、今日はそういう日なんだな」と思いました。あと、理由がないのに目覚めが悪くて、胸のあたりがウジウジする……みたいな日も、「今日は気の流れが悪いな」と感じたり。
もともと母親が「気の流れが……」という言葉を使うんですよ。たとえば、今日はメイクがうまく乗らなくて、そのせいで駅まで走ったけど電車に乗り遅れちゃって、そのせいでまた……と連続で良くないことが続く時って、母にとって「気の流れが悪い日」なんですね。なので、私もよく同じ言い方をします。理由がないのに何となくうまくいかない時は、「気の流れのせいだ」と思うんです。
--文章を書いているとき、「降りてくる」感はありますか?
はあちゅう:「降りてくる」とまでは思わないんですけど、本になった自分の文章を読み返して、「よく書いたなあー」と感心したりはします。自分が書いた言葉に励まされるとか、よくこんな表現思いついたな! と思うことがあるんですよね。
なので、そういう文章を書いた時って、「降りている」という表現が合っているのかわからないんですけど……何かやっぱりのっている時なんだなと思います。のる時・のらない時ってあるので。それはもう、「誰か」に動かされてるんだなと(笑)。私じゃないです。
だって、どんなに早起きして健康整えても、書けない日は書けないんですから。そういう日は、文章の神様が近くにいないんだなと感じますよ。
私、実はスピリチュアルが結構好きで……水星逆行とかは信じています。だから、水星逆行が明けるのを待ってから引っ越しするとか。逆行中は動くのやめておこう、と思ったりするんです。
--占いはどうですか?
はあちゅう:占いは、引きずられちゃうから。本当に信じない人って引きずられもしないと思うんですけど、私はちょっと信じちゃうので。占いに引きずられちゃうのが怖くて、やらないということが多いです。
以前、仕事である占い師さんに占ってもらったんですけど、「運命の人が、いつ現れる」と時期を教えてくださって。でも、出会うと言われた時期に、「この人が運命の人なのかな? それともこっちの人なのかな?」とすごく気にしたのに、結局出会わなくて失望したりとか。
あと、その占い師さんに32歳で海外に行くとも言われたんですよ。そうすると私、今31歳で、来年海外に行くのかなとか。じゃあ子ども作んないほうがいいよね……って思っちゃうんですよ。
頭のどこかに占い師さんに言われたことが残っていて。だから、そんな風に引きずられるのが、ちょっと怖くて。あんまり聞かないようにしています。
でも、手相は見てもらう時がありますね。ゲームのような感覚というか、心理テストみたいな感じで、手相や顔相は見てもらうことがあります。性格を当てるとか、今運気が良いとかいう話は普通に聞けるんですけど、いつこういうことが起きる、こういう風にしたほうがいい……と具体的になっちゃうと気にしてしまいます。
--電通からトレンダーズに転職された時、「直感」で決めたとお伺いしましたが(第一回目インタビュー)、ちょっと意外に感じました。綿密に計画して行動するイメージがあったので……。
はあちゅう:転職した時は、直感ですね。電通の時は、私は転職したいと思ったことがなくて。むしろ、転職ってしちゃいけないものだと思ってたんですね。自分の働き方への「逃げ」みたいなのを感じてしまって、転職は若いうちはしないって決めてたんですけど、ある日突然転職しませんか? というオファーをいただいて。
そのときに、「このオファーを受け入れたら、今私がこう働きたいって思ってることが全部叶う!」と思ったんです。これ蹴ったら後悔するな……と。条件が整ってることに気付いて、理想の未来と繋がった感じがしました。
--では、フリーになるのも計画してたわけではなかったんですか?
はあちゅう:計画はなかったですね。割と、いきあたりばったりなところもあるんです。
直感って、みんなにあるものだと思うんです。でも、直感があっても、不安のほうが勝っちゃう人のほうが多いんじゃないかと思います。自分の勘はこっち行きたいと思ってても、理性が「そうじゃないんじゃない?」と抑えつけちゃうことってたくさんあると思っていて。
でも、私はそうやって理性で抑えつけて後悔したことが、これまですごく多かったんですよ、学生時代に。何かからはみ出すことが「いけないこと」という思い込みがあったので。
例えば、学校の授業で発言するのとかも、絶対に答えに自信がある時でも手を上げられなかったですね。そうすると、ほかの人が答えて褒められていて、特に難しい問題を答えてるとめちゃめちゃ褒められていて、「私もわかったのになぁ」と思って……。
そういう小さい悔しさの積み重ねが、「選ばなかったことへの後悔」という刷り込みなっています。だから、もう後悔したくないという思いが、今は直感を信じることを後押ししてくれています。
小さい悔しさの積み重ねが、自分を信じて行動させる力になっているんですね。「もう後悔したくない」という気持ちは、はあちゅうさんだけでなく、多くの女性たちが恋や仕事など、さまざまなシーンで感じるものなのではないでしょうか?
やりたい仕事を主張できずに同僚に取られてしまった、好きな人に声を掛けたくても掛けられなかった、ちょっと高額な欲しいものを買う勇気がなかった……。そんな後悔はやっぱり、二度としたくないですよね。「やりたい」「話したい」「欲しい」という素直な気持ちに従うことができれば、人生はもっと生きやすくなるのかもしれません。
これまで、四回に渡ってはあちゅうさんにさまざまなお話を聞いてきましたが、すべてを通じて感じたのは、「つねに自分主体であることが大事」という点。自分の恋や仕事を他人任せにしないで、ちゃんと自分でコントロールしようと頑張ったなら、すべては幸せに繋がるのだと思いました。
しっかりとした自分を確立して、つねに前へ進み続けるはあちゅうさん。これからどんな活躍を見せてくれるのか、一瞬も目が離せないですね!
(注1)「半径5メートルの野望」(講談社)2015年に出版された、自己実現をテーマにした本。
■【はあちゅう論】恋がうまくいかない時は幸せに繋がる選択肢だけ取る!